公羊高(こうようこう)は、中国先秦時代の戦国期に活躍した学者であり、《春秋公羊伝》(しゅんじゅうこうようでん)の著者とされています。彼は戦国時代の斉国の人で、孔子の弟子であった子夏(卜商)の門人と伝えられています。公羊高は孔子の歴史書である《春秋》を研究し、その思想を口伝により公羊平へと伝えました。
基本情報
- 名前:公羊高(こうようこう / Gongyang Gao)
- 時代:戦国時代
- 出身地:斉国
- 代表作:《春秋公羊伝》
- 別称:《公羊春秋》または《公羊伝》
- 学問:今文学派に属する《春秋》学
《春秋公羊伝》の概要
《春秋公羊伝》は、孔子が編纂した歴史書《春秋》に基づく注釈書であり、孔子が意図した「微言大義」(びげんたいぎ)を解釈し、儒学的視点から歴史を説明しています。
特徴
- 対象期間
- 魯国隠公元年(紀元前722年)から魯国哀公14年(紀元前481年)までを対象とする。
- 内容構成
- 記述は簡略ながら、《春秋》に込められた孔子の意図を重視。
- 「礼」「義」や「道徳」など、儒教思想を解釈の中心に置く。
- 成書の経緯
- 公羊高による口伝が後世に継承され、後漢の景帝時代(紀元前前154年頃)、公羊寿と胡母生により整理・記録され、竹簡にまとめられたとされます。
- 今文学としての地位
- 今文学派(きんぶんがくは)と呼ばれる学派の重要な典籍であり、漢代の儒学思想の基礎となる学問体系を形成。
思想と影響
公羊高の注釈書は、歴史の記録だけでなく、それを通じて孔子が残した倫理的・政治的メッセージを強調しました。具体的には、王道政治の理想、社会秩序の維持、正義の実現を追求することに重点を置いています。
後世への影響
- 漢代の儒学発展
- 《春秋公羊伝》は董仲舒らを通じて漢代儒学の中心思想となり、「礼」と「義」の重要性が広まる基盤となりました。
- 科挙制度への影響
- 《春秋公羊伝》の思想は科挙の試験内容にも影響を与え、中国の学術・政治思想の根幹に組み込まれました。
評価
公羊高は、儒教の発展に大きく寄与した先駆者として評価されています。彼の著作とその思想は、単なる歴史解釈を超え、倫理や哲学に深い影響を与え続けています。