以下は、記事の基準(面積が100万平方キロメートル以上、1800年以前に最盛期を迎えた国家、中国読者にとって知名度が低い)に基づいて整理した古代国家です。
中央アジア・北アジア
- エフタル(Hephthalites)
- 時期:5~7世紀
- 地域:中央アジア、南アジア(現在のアフガニスタンを中心)
- 特徴:柔然の属国から台頭し、サーサーン朝の皇帝ペーローズ1世を捕虜にするほどの勢力を誇ったが、6世紀末に西突厥に取って代わられる。
- 柔然(Rouran Khaganate)
- 時期:5~6世紀
- 地域:モンゴル高原
- 特徴:モンゴル高原で最初に「可汗」を称した政権とされるが、突厥によって滅亡。
- キルギス・カガン国(Kyrgyz Khaganate)
- 時期:9世紀
- 地域:エニセイ川流域、モンゴル高原
- 特徴:短期間で草原の覇者となるも、10世紀初頭に急速に衰退。
- カラハン朝(Kara-Khanid Khanate)
- 時期:9~11世紀
- 地域:新疆西部および中央アジアの一部
- 特徴:最初にイスラム教を受け入れたテュルク系政権。後に西遼とホラズムによって分割。
- シャイバーニー朝(Shaybanids)
- 時期:15~16世紀
- 地域:中央アジア、アフガニスタン
- 特徴:ウズベク部族を統合し、のち複数のハン国に分裂。
南アジア・中央アジア
- サータヴァーハナ朝(Śātavāhana Empire)
- 時期:紀元前1世紀~3世紀
- 地域:インドのデカン高原
- 特徴:インド・スキタイ人と対抗し、肖像入り貨幣を鋳造。
- アルチョン・フン(Alchon Huns)
- 時期:4~7世紀
- 地域:中央アジア、南アジア
- 特徴:南アジアに短期間の王国を築くも、エフタルと同時期に衰退。
- チョーラ朝(Chola Dynasty)
- 時期:9~13世紀
- 地域:インド南部、スリランカ、東南アジア一部
- 特徴:海洋強国として、室利仏逝(シュリヴィジャヤ)の衰退を招いた。
- デリー・スルターン朝(Delhi Sultanate)
- 時期:13~16世紀
- 地域:インド北部および中部
- 特徴:5つの王朝が交代で統治、最終的にムガル帝国に取って代わられる。
- スール朝(Sur Empire)
- 時期:16世紀
- 地域:インド北部
- 特徴:ムガル帝国を一時的に追放し、シェール・シャーによる改革が有名。
中東・中央アジア
- サーマーン朝(Samanid Empire)
- 時期:9~10世紀
- 地域:ペルシア、中央アジア
- 特徴:ペルシア文化復興の重要な政権。
- ガズナ朝(Ghaznavids)
- 時期:10~12世紀
- 地域:イラン、中央アジア、インド北部
- 特徴:インドの広大な領土を征服するも、ゴール朝に滅ぼされる。
- ゴール朝(Ghurid dynasty)
- 時期:12世紀
- 地域:アフガニスタン、インド北部
- 特徴:デリー・スルターン朝の基礎を築く。
- アク・コユンル朝(Aq Qoyunlu)
- 時期:14~15世紀
- 地域:イラン、イラク
- 特徴:短期間で台頭し、オスマン帝国と対抗。
- ドゥッラーニー朝(Durrani dynasty)
- 時期:18世紀
- 地域:アフガニスタン、インド一部
- 特徴:アフガニスタン統一王朝の創設。
東南アジア
- マジャパヒト王国(Majapahit)
- 時期:13~15世紀
- 地域:インドネシアおよび東南アジア一部
- 特徴:インドネシア史上最大の国家。
北アフリカ
- クシュ王国(Kush Kingdom)
- 時期:紀元前8世紀~4世紀
- 地域:スーダン、エジプト一部
- 特徴:第25王朝としてエジプトを支配するも、アクスム帝国に滅亡。
- ムラービト朝(Almoravid dynasty)
- 時期:11世紀
- 地域:モロッコ、西サハラ、イベリア半島一部
- 特徴:北アフリカと西アフリカの強国。
- ムワッヒド朝(Almohad Caliphate)
- 時期:12~13世紀
- 地域:北アフリカ、イベリア半島一部
- 特徴:ムラービト朝を倒し台頭するも、最終的にマリーン朝に滅亡。
ヨーロッパ
- ハザール・カガン国(Khazar Khaganate)
- 時期:7~10世紀
- 地域:南ロシア草原、中央アジア一部
- 特徴:突厥系による中世の交易帝国。
- クマン・カガン国(Cumania)
- 時期:11~13世紀
- 地域:南ロシア、中央アジア
- 特徴:遊牧部族連合で、モンゴル帝国に征服される。
- カルマル同盟(Kalmar Union)
- 時期:1397~1523年
- 地域:デンマーク、スウェーデン、ノルウェーおよび属領
- 特徴:北欧の統一政権。
これらの国家は、一時的に広大な領土を持つも、存在期間が短かったり、知名度が低かったりしたため、他の同時代の強国ほど注目されていません。