『三国演義』第1話:桃園の誓い
後漢末期、宦官が権力を握り、民衆は苦しんでいた。霊帝の中平元年、張角とその兄弟は黄巾の乱を起こし、官軍はその勢いに恐れおののいた。幽州の太守である劉焉は、黄巾軍に対抗するために兵を募集した。その頃、劉備(孫彦軍が演じる)、関羽(陸樹銘が演じる)、張飛(李靖飛が演じる)の三人は、兵士募集の掲示を見に行った。劉備は中山靖王の子孫であり、漢景帝の玄孫であったが、身分は低くとも王族としての風格を失っていなかった。関羽は富豪を殺したために流浪の身となっていた。張飛は酒を売り、豚を屠る仕事をしており、地元に屋敷を構えていた。三人は偶然出会ったが、国のために尽くしたいという志が同じで、すぐに意気投合した。張飛の誘いで、自身の屋敷の裏にある桃園で三人は酒を酌み交わし、兄弟の契りを結ぶこととなった。
その後、劉備、関羽、張飛は朱俊や孫堅と共に黄巾軍を攻撃し、大勝利を収めた。劉備は定州中山府の安喜県尉に任命された。督郵が県に視察に来ると、劉備は謙虚に城外で迎えたが、督郵は非常に傲慢で、まず劉備が皇族であると詐称し、功績を偽って報告していると非難した。さらに、劉備が贈り物を渡さないことに腹を立て、「県尉が民を害している」という罪をでっち上げた。張飛はこの事実を知って激怒し、馬に乗って館驛に駆けつけ、群衆の前で柳の枝を引き抜き、督郵の両脚を激しく鞭打った。